日本だけでなく、世界中に多くのファンがいる日本人浮世絵師の、葛飾北斎


そんな葛飾北斎の超有名作品、「富嶽三十六景(ふがくさんじゅうろっけい)」の中の「凱風快晴」と、「神奈川沖浪裏」が、アメリカ・ニューヨークの世界的なオークションで、なんとそれぞれ、驚異の5000万円以上の価格で落札されました。


ということは、総額は一億円を超えるということになります。


凄まじい価格ですね。


2枚の絵は、保存状態が良かったため、高額での落札が予想されてはいましたが、まさか一億を超えるとは、流石に誰も予想はできなかったみたいです。


オークションが始まると世界各国から入札が殺到し、「凱風快晴」が50万7000ドル(約5630万円)、「神奈川沖浪裏」が47万1000ドル(約5230万円)で落札されました。


この記事では、高額で取引された葛飾北斎の富嶽三十六景の中の2枚はもちろん、そのほかの絵についても解説をしていきたいと思います。

葛飾北斎ってどんなひと?



葛飾北斎って名前くらいは聞いたことあるけど、実際どんな人なのかよくわからないという人もいると思います。


なので、葛飾北斎のプロフィールを、簡単にご紹介させていただきます。


名前:葛飾北斎(かつしかほくさい)


生年月日:1760年10月31日


死没:1849年5月10日


代表作:富嶽三十六景、北斎漫画、蛸と海女


北斎に影響を与えた人物:勝川春章、鍬形蕙斎


北斎から影響を受けた人物:歌川広重、歌川国芳、印象派等の西洋芸術家たち


ご存知の通り、葛飾北斎は世界的にも有名な芸術家です。


生涯で製作した作品は、3万点を超えると言われています。


葛飾北斎の最大の武器は、その描写力です。


あのゴッホなど、西洋の芸術家に影響を与えたほか、工芸家や音楽家にも多大な影響を及ぼしたと言われています。





北斎は、世界のあらゆるものを描き尽くしたいという想いから、銅版画やガラス絵の研究も試みました。


1999年には、アメリカ合衆国の雑誌「ライフ」にて、「この1000年のなかで最も重要な功績を残した世界の人物100人」のノミネートされた葛飾北斎。


日本人として唯一、86位にランクインです。

葛飾北斎のおもしろ話



葛飾北斎は、なんと93回も引越しをしています。


多い時には、1日に3回も引越しをしています。


荷物をあっちにやったりこっちにやったりと大変そうです。


75歳のときにはすでに56回もの引越しをしていたそうです。


北斎は、作品を製作することのみに集中するため、常に部屋が荒れまくっていたそうです。


掃除をするのは面倒臭いし時間が勿体無い。


そういったおもいから、引越しを繰り返していたと言われています。


また一説には、生涯100回引っ越すことを目標にした百庵という人物にならい、「俺も100回引越してから死にたい!」と言っていたという説もあります。

富嶽三十六景 凱風快晴



葛飾北斎の有名作品「富嶽三十六景」の中の「凱風快晴(がいふうかいせい)」が、5000万円で落札されました。


そんな凱風快晴は、こちらです↓↓↓





真ん中にそびえ立つのは、富士山です。


赤く染まっているのは、夕焼けのせいでしょうか。とても鮮やかで美しい赤です。


凱風とは、南風のことです。


夏から秋にかけての晴れた日の朝、富士山は赤く染まります。


その瞬間に感動した北斎が、この風景を絵におさめました。


この富士は通称「赤富士」と言われています。


雲の形も独特で、今も昔も変わることのない美しい日本の風景です。

富嶽三十六景 神奈川沖浪裏



続いては、凱風快晴と同じく5000万円で落札された、「富嶽三十六景」の、「神奈川沖浪裏(かながわおきなみうら))」です。





この作品は葛飾北斎の代表作みたいなものですよね。


この作品は、富嶽三十六景の中でも最高傑作であると言われており、最も広く世界で知られている日本の芸術作品の1つです。


乱暴に激しく渦巻く波濤と、波に揉まれる3隻の舟、この海のずっと先には、富士山もみえます。


ひと筋ひと筋の水の流れ、波のうねり、躍動感あふれる船の動きなどは全て、幾重にも折り重なる対数螺旋の構成要素となっています。


容赦無く荒れ狂う波と、その先にじっと佇む富士山は、「」と「」、「」と「」の鮮明な対比を表しています。


フランスの有名作曲家・ドビュッシーが仕事場に掲げて、交響曲「海」を製作したという話は、とても有名です。


迫力満点の作品ですよね。


この作品に描かれている波は、どこか生き物のように感じませんか?


長い龍的な生物が何匹も重なり合って襲いかかってきているような、そんな感覚に陥ります。


波の白い部分はなんとなく「骨」を表しており、青の部分が「身」をあらわしているような感じで見ていただくと、分かるかもしれません。


波の頂点部分の白いところは、明らかに意思を持って襲いかかってきているような描き方です。


もしかすると北斎は、波をただの水の塊と捉えずに、1つの生き物として捉えていたのかもしれません。