ピカソは生涯のうちになんども作風を変えています。


ピカソのそれぞれの作風は”時代”と呼び分けられています。


その”時代”の中でも今回は、”青の時代”の作品に関する記事を書かせていただきます。

青の時代とはなにか



青の時代は、1901年から1904年の間を指します。


この頃ピカソは、20代前半でした。


なぜ、青の時代と呼ばれているのか。


それは、この頃のピカソがロシア青(紺青)と呼ばれる色を基調とした作品を多く作っていたからです。


ピカソは19歳のとき、カサジェマスという親友を亡くしました。


そのことにとてもショックを受けたピカソは、その時の気持ちをひきづり続けながら作品を作り続けました。


その結果、この時のピカソの作品はどこか孤独で不安な感情をイメージさせるような作品が多いのです。


また、いわゆる社会の底辺で生きるような人々を題材としていることも特徴に一つと言えます。


続いて、ピカソの青の時代における代表的な作品をいくつかご紹介させていただきます。

青の時代の作品”海辺の母子像”



青の時代の代表的な作品の一つ、”海辺の母子像”





浜辺で女性と思われる人物が、子供を抱えて祈りを捧げている作品です。


この浜辺は、ピカソが19歳のときに亡くなった親友のカサジェマスとの思い出の場所です。


そんな浜辺で祈りを捧げている女性の絵を描いたのは、ピカソの親友に対する哀悼の意を表しているのでしょうか。

青の時代の作品”人生”



続いては、”人生”という作品についてです。





この作品は、またもやカサジェマスに関する作品です。


作品には、抱き合う男女とそれを見つめる女性が書かれています。


そしてその両者の間には、ワケありそうな男女の絵と、同じく苦悩している様子の男性の絵があります。


抱き合う男女の男性がカサジェマスで、女性はカサジェマスが愛していた女性と言われています。


そしてそれを見つめる女性は、カサジェマスの母親、もしくは聖母マリアなのではないかと言われています。


抱き合う男女は恋愛を表しており、それを見つめる女性は母性愛を表しており、間にある絵は悲しみや苦悩を表しているのでしょう。


カサジェマスは愛する女性がいたにも関わらず、母親や宗教的な理由でその女性と愛し合うことができないでいたのでしょうか。

青い時代の作品”老いたるギター弾き”



最後は、”老いたるギター弾き”という作品についてです。





痩せこけた盲目の老人がギターを抱えています。


ギターを弾いているのか、死んでしまっているのかは分かりませんが、何れにせよ、なんとも言えない悲しみが伝わってきます。


この絵で唯一明るい色が使われているのがギターなのですが、これは鑑賞者の目を惹きつける効果と、老人の命がギターによって繋ぎとめられている(いた)ことを表しているのかもしれません。

ピカソの青の時代の作品について思うこと



ピカソの”青の時代”は、憂鬱や苦悩、不安という気持ちを表しており、これはピカソが20代前半、いわゆる青春時代と呼ばれる時期に作品を作ったためと言われています。


しかし、こうった作風の絵を多くつくった一番の理由は、親友カサジェマスの死でしょう。


たとえピカソが40代の時にカサジェマスが亡くなったとしたら、青の時代のような作品は生まれなかったのでしょうか。


わたしはそうとは思いません。


人が作る作品には、その人がその時に経験したこと、抱いた感情が現れるものだと思います。


”青春時代だからこうなった”という考えではなく、”親友の死により青の時代が生まれ、それがたまたま青春時代であった”と考えます。


また、この頃”青”という色は、高価な色として認知されていたにも関わらず、苦しみ、悲しみ、貧乏などといった負のイメージを表すために青を使ったピカソは、天才だと思います。


今わたしたちが”青”と訊いて負のイメージを感じることができるのは、ピカソの青の時代の影響かもしれませんね。


ピカソの他の有名作品を知りたい方は、以下の記事をご覧ください。